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日立/ロボットアームと搬送台車の統合制御で、38%ピッキング作業短縮

2018/06/04 更新

日立製作所は5月28日、ピッキング用ロボットと自律走行する搬送台車を統合制御することで、搬送台車に積まれた商品群の中から指定の商品をスムーズに取り出し、ピッキング作業を効率化する複数AI協調制御技術を開発したと発表した。
 
本技術は、カメラ画像から、取り出す商品とその最適なピッキング方法を判断するAIのもと、ピッキング用ロボットを制御するAIと、搬送台車を制御するAIをリアルタイムに統合管理し、協調制御する。
 
商品の荷積み状態に基づいて、搬送台車とロボットアームは最適な速度で互いに衝突することなく近づき、搬送台車の移動を止めることなくスムーズに商品をピッキングすることが可能となる。
 
搬送台車を都度停止させてからピッキングを行う従来技術と本技術の比較実験を行った結果、ピッキング作業の所要時間を38%短縮した。
 
今後、本技術を搭載した倉庫作業ロボットシステムの製品化をめざすとともに、作業の自動化や高速化技術の開発を通じて、物流の効率化に貢献する。
 
技術のうち、搬送台車の動きに合わせてロボットアームの動作を計画し、微修正する機能は、英国エディンバラ大学と共同で開発した。
 
近年、物流倉庫では、膨大な種類と数の商品在庫の中から注文に応じた商品を集めるピッキング作業が大量に発生しており、作業の自動化と効率化が求められています。ピッキング作業を支援するために商品を棚・ケースごと運ぶ搬送台車は既に実用化されており、現在はケースから商品を取り出すピッキング用ロボットと搬送台車を組み合わせたシステムの開発が進められている。
 
しかし、ケース内の商品の荷積み状態は、搬送やピッキング作業に伴い崩れて複雑になるため、搬送台車の移動速度も考慮した上で、瞬時に取り出す商品や取り出し方法を判断してロボットを制御するのは困難であり、ピッキング作業を行う前に搬送台車を静止させる必要があった。そのため、搬送台車の停止時間がロスとなり、効率的なシステムを構築することが困難だった。
 
今回、ピッキング用ロボットと搬送台車を協調させ、ピッキング作業の効率を最大化するための複数AI協調制御技術を開発した。
 
主な技術として、カメラの画像から、商品の荷積み状態に応じてピッキング用ロボットが取り出し可能な商品の位置や、搬送台車の速度調整量を判断するAIを開発した。
 
事前にピッキング対象の商品の3Dデータを入力することで、さまざまな移動速度で運ばれる商品の荷積み状態をランダムに発生させ、ロボットアームによる数万通りのピッキング動作をシミュレーションする。
 
このシミュレーションの結果に基づき画像解析処理の教師データを自動生成し、ディープラーニングを活用した学習を行うことで、荷積み状態に応じて変化する作業対象の商品位置や搬送台車の速度調整量など、ピッキング用ロボットと搬送台車を制御するために必要な情報を画像から解析し、判断します。実際にピッキング作業を行いながら学習する必要がないため、効率的に導入・運用することができる。
 
さらに、運ばれてくる商品のケースの中をピッキング用ロボットの手前に設置したカメラで撮影し、画像から最適なピッキング方法を判断するAIのもと、リアルタイムにロボットのAIと搬送台車のAIを協調制御する技術を開発した。
 
ピッキング用ロボットを制御するAIに対しては取り出す商品の位置情報に基づき算出したアーム動作を指示し、搬送台車を制御するAIに対しては現在の移動速度をもとに減速や加速を指示する。
 
また、ピッキング用ロボットのAIは搬送台車の速度や位置をリアルタイムに確認し、ケースや他の商品に衝突しないようにアーム動作の微修正を行うことで、搬送台車を停止させることなく、効率的な自動ピッキングを実現する。
 
社内実験の結果、0.5m/秒で走行する搬送台車を停止させることなく、商品のピッキングに成功し、搬送台車を停止させてからロボットが商品を取り出す従来の方法では、13秒だった作業時間が、本技術を活用した場合は8秒と、38%の高速化を確認した。
 
エディンバラ大学Sethu Vijayakumar教授(エディンバラ王立協会フェロー)は「日立との2年間強の連携が実を結び、倉庫作業自動化に向けた技術開発において実用的な進展がみられたことを大変喜ばしく思います。われわれのロボティクス・ラボは、多くの関節を持つ複雑な多自由度ロボットを対象とした、ロボットの動作を適切に計画・制御するための機械学習技術における最先端の研究機関です。今回の開発はわれわれの技術を実世界の課題解決へと適用する良い機会だと思います」とコメントしている。
 
 
 
( LNEWS提供 https://lnews.jp/ )