コープさっぽろ・関連会社の北海道ロジサービス（HLS）は1月12日、経済産業省が有限責任監査法人トーマツに委託している事業「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業（販促商品等のリードタイムの延長、物流レジリエンスの向上に向けた小売業の在庫管理・発注業務のDX）」において、トーマツからの再委託されたシノプスと連携し、需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」を活用した販促商品等のリードタイムの延長や発注業務DXの実証実験を開始したと発表した。

＜北海道ロジサービスの物流センター＞

実施場所は、北海道内でスーパーマーケットを108店舗（2024年1月12日時点）運営するコープさっぽろの店舗およびHLSの運営する物流センター。新商品と販促商品の小売りから仕入先への発注確定日を前倒しする、納品リードタイム（納品LT）長期化の実証実験を行う。

具体的には、従来3～7日程度だった納品LTを、2週間程度まで長期化させる。小売店舗では納品LTを延長した場合、欠品や過剰在庫の発生が懸念されるが、sinops-CLOUDによる需要予測データを活用することで欠品・過剰在庫の発生を極小化しつつ、納品LTを延長する実証実験を行う。

これにより、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた在庫調整業務の負荷軽減、物流センターの過剰在庫や欠品の防止、物流の効率化が期待できる。また曜日ごとにバラつきがある発注量を平準化することでトラック配車の効率化に関する実証実験も実施する予定だ。

「2024年問題」などの課題に対応し、加工食品・日用雑貨などのサプライチェーンを最適化するためには、小売業の在庫管理と発注業務を改善する必要がある。特に、需要予測技術の活用が重要となるが、新商品や販促商品においては販売予測が難しく、過剰在庫や不足分の追加発注などに繋がっていた。

実証実験は2023年10月から開始しており、今後、実証実験前後のコープさっぽろとHLSから、卸売業などの計測データを取得し、実証実験の効果測定を行う。

なお、実証実験の途中成果については、2024年2月20日に経産省が開催予定の第2回北海道地域フィジカルインターネット懇談会で、トーマツが発表する予定。

シノプスは、「世界中の無駄を10％削減する」をビジョンに掲げ、需要予測型自動発注サービス「sinops」（シノプス）を開発・販売しているソフトウェアメーカー。