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Hacobu/業界横断型の共同輸配送で「物流ビッグデータラボ」を創設

2024/08/26 更新

Hacobuは8月23日、企業間で物流データを共有し、個社や業界の垣根を超えて物流の社会課題解決を目指す「物流ビッグデータラボ」を創設すると発表した。

<「物流ビッグデータラボ」の概要図>
20240823hacobu - Hacobu/業界横断型の共同輸配送で「物流ビッグデータラボ」を創設

<参画企業>
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第1回のラボには、アスクル、キリンビバレッジ、スギ薬局、日本製紙、YKK APが参画する。企業間で物流ビッグデータを共有・分析し、共同輸配送を目指す。さらには、カーボンニュートラルの実現、ドライバー不足などの労働力問題の解決に寄与し、持続可能な物流インフラの構築を目指す。

「物流ビッグデータラボ」により、すでに多くのユーザーが日々利用しているMOVOに蓄積されたトランザクションデータを活用することが可能になる。これにより、分析のために各社がデータを持ち寄るというステップを省き、共同輸配送の実現に向けて、企業間でよりスピーディで効率的な議論や検証を実現する。

物流ビッグデータラボは、企業間で物流データを共有し、個社や業界の垣根を超えて物流の社会課題解決および共同輸配送の実現を目指す。

主な目的は1.企業間での物流ビッグデータの共有と分析による共同輸配送の実現、2.物流効率化に向けた「データドリブン・ロジスティクス」の普及、3.モノが運べない事態になることを回避し、社会貢献につなげるの3点。

Hacobuは物流の社会課題を解決するには、様々なステークホルダーでの議論や化学反応が必要不可欠であると考えている。議論を前に進め、イノベーションを創出する鍵は「データ」にあると考えている。同一の仕組み上で生成された標準データを企業間で直視しながら、建設的な解決策を導き出す―「データドリブン・ロジスティクス」を、本ラボで推進する。

また、物流ビッグデータの活用例として、MOVOシリーズの1つであるトラック予約受付サービス「MOVO Berth」の入荷データ分析から得られた結果がある。この分析により、ある1日のMOVO Berthで取得できる全運行のうち、41.3%で共同輸配送の実現可能性があることが明らかになった。この数字は、ラボの取り組みが持つ可能性を示している。

ラボの目的は、「政府が掲げる2030年度に向けた政府の中長期計画」内の「物流標準化やデータ連携の促進等フィジカルインターネット・ロードマップを踏まえた取組を推進し、積載率向上に向けた共同輸配送や帰り荷確保を促進」する施策にも沿った内容となっている。

なお、物流ビッグデータの活用は、主に2つの懸念が存在すると認識している。一つは物流ビッグデータ活用によって自社データの秘匿性が損なわれるのではないかという点、もう一つは物流ビッグデータをシステムに蓄積する会社が不当に利益を得るのではないかという点だ。

これに対して、Hacobuは、これらの懸念を払拭し、データをもとに建設的な解決策を考える「データドリブン・ロジスティクス」を実現するため、2021年4月に外部専門家を含めた物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を組成。同委員会では、第三者の視点や意見を取り入れ、物流ビッグデータ活用に関するガイドラインを策定し、運用体制の整備に取り組んできた。

現在は委員会での議論を踏襲し、技術的・組織的な面でのセキュリティ対策に努めるとともに、経営会議や情報セキュリティ委員会において施策の立案、モニタリングおよび検証を進めている。また、これらの取り組みについては、社外取締役および社外監査役による監督・監査を受ける体制を構築している。

今後の展望では、「物流ビッグデータラボ」は、短期的な成果と長期的なビジョンを持って、物流の変革を目指している。初年度は、物流ビッグデータを基にした共同輸配送の実例創出に取り組んでいく。また、より多くのルートで共同輸配送を実現し社会的インパクトを最大化するために、データ拡充と継続性を両立する仕組みを議論・検証していく。

中長期的には、参画企業の拡大と多様な業界からの参加促進を図るとともに、自動運転時代を見据えたデータ活用基盤の構築を進める。これらの取り組みを通じて、日本全体のサプライチェーン最適化に貢献するとしている。