ヤマト運輸/関西エリアで手ぶら観光、オーバーツーリズム解消へ
2025/04/14 更新
ヤマト運輸は4月8日、大阪・関西万博開催や訪日外国人増加によりインバウンド需要が高まる関西エリアにおける「手ぶら観光」に関する最新の取り組みを発表した。
「1.宿泊施設・空港などへ発送当日に手荷物を届ける」では、空港から宿泊施設まで、宿泊施設から空港や次の宿泊施設までなど、旅行時の快適な移動を実現する。地域のパートナーと連携し、ヤマト運輸の営業所だけでなく、駅などの観光客が移動する導線上でも利用できる。
大阪・関西万博の開催にあわせて、2025年10月まで、阪急電鉄大阪梅田駅の「阪急ツーリストセンター大阪・梅田」をはじめ「Osaka Metro本町駅」「伊丹空港」でも提供する。主に外国人の顧客(全体の約9割)に利用されている。
<期間限定でカウンターを設置し、手荷物の一時預かり・発送を提供>
「2.観光中に荷物を預けられる」では、スーツケースやボストンバッグなどを空港や駅、街中にあるヤマト運輸の営業所で一時的に預かる。大阪・関西万博期間中の2025年4月13日から10月13日まで、駅の混雑緩和対策として、Osaka Metro本町駅に期間限定でカウンターを設置し、手荷物の一時預かり・発送を提供する。
さらに、外国の顧客向けには、世界中の地元企業などの空きスペースと手荷物を預けたいユーザーをマッチングさせるプラットフォームを提供するBounceやRadical Storageと連携し、2024年11月からヤマト運輸営業所のスペースを活用した手荷物一時預かりサービスを試験的に展開している。
滞在期間が長い欧米圏からの訪日観光客を中心に、全国で月間約1500件の利用がある。今後、BounceやRadical StorageのUIの中で手荷物配送の受付もできるようにし、手荷物配送になじみのない外国人ユーザーにも、手ぶら文化を推進していくとしている。
「3.スマホで簡単に送り状の発行ができる」では、2024年10月から提供を開始した「簡易伝票発行ツール」は、専用WEBサイト(4か国語対応)で顧客があらかじめ作成した送り状の二次元コードを読み込むだけで荷物の発送手続きが完了するツール。受付での送り状の手書き作業が不要となるため、観光客の利便性向上と観光施設スタッフの業務負荷の軽減につながっている。
外国人観光客にとっては従来日本語のみでの対応だった送り状の作成が容易になり、導入したホテルからは、「外国人観光客の宅急便荷受け対応がスムーズになった」という声を得ている。
なお、観光サービス特化型の店舗「なんば駅前営業所」を設置。2024年8月、大阪・難波に観光サービスに特化した店舗「なんば駅前営業所」をオープンした。手荷物の当日配送、一時預かり、簡易伝票発行ツールなどの提供に加え、顧客の手荷物を一時預かりする機器「BAGGAGE KEEPER(バゲッジ キーパー)」も導入している。来店する顧客の約7割が外国人観光客で、当日配送の利用は関西エリアで最多となっており、Googleマップの口コミなどでも高い評価を得ている。
また、大阪・関西万博会場に、宅配・手荷物一時預かりカウンターを出店。4月13日から10月13日まで、大阪・関西万博会場内に、外国語対応スタッフや自動翻訳機により25か国語に対応した宅配・手荷物一時預かりカウンターを出店する。
さらに、外国語ユーザーや聴覚障がいのある方などがスムーズにサービスを利用できる「コミュニケーションボード」を先行導入し、全ての顧客に安心・快適にサービスを利用してもらえる環境を実現する(2025年秋ごろ全国展開予定)としている。