東京大学、三井不動産/建物内のドローン配送を数理モデルで解明
2024/05/27 更新
東京大学先端科学技術研究センターの江崎貴裕特任講師、井村直人特任研究員、西成活裕教授、三井不動産の藤塚和弘氏らによる研究グループは5月22日、高層マンションなどの建物内にドローンが垂直飛行できる専用空間を設置した新たな配送システムを考案し、数理モデルによる分析を用いてその有効性を示したと発表した。
この研究は、待ち時間が長くなりがちなエレベーターでの配送に対する解決策となるだけでなく、災害時に消費電力を抑えて生活必需品の配送を行うなど、建物内の物流に有力な選択肢を与える可能性がある。研究では基礎的なモデリングによる概念実証を実施したが、今後は実機を用いたさらなる検証につなげていくとしている。
発表内容のポイントは、「高層マンションなどの建物内でドローンを使った新たな配送システムを提案」、「数理モデルを利用したシミュレーションにより、エレベーターでの配送と比べ、消費電力、待ち時間ともに有利になる条件を明らかにした」、「ドローンとエレベーターを協調させた新たな建物内物流実現の可能性」となっている。
東京大学先端科学技術研究センター 江崎貴裕特任講師は「ドローンの社会における活用の可能性は様々な形で検討が進んでいるが、現実の制約条件やコストなどが障害となり、取り組みが進まないこともしばしば。本研究ではドローンを活用した配送の具体的なメリットとそれが生じるメカニズムについて詳細に調べたが、こうした研究が新たな仕組みについて検討する足掛かりとなっていくことを期待している」と述べている。