フェデックス調査/成長市場は東南アジア、通関手続きに壁
2024/04/22 更新
フェデックスは4月19日、今後3年間のアジア太平洋地域における中小企業の国際的な成長の可能性を探る、Forbes Insightsと共同で実施した最新の調査レポートの結果について、主要な成長市場として68%が東南アジアと回答したと発表した。
今回の調査は、アジア太平洋地域における幅広い産業の中小企業の創業者や経営幹部250人を対象に実施した。調査結果では、回答者の68%が「タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジア諸国に対して最もビジネス成長の可能性がある」と認識していること、また、経済成長、文化的類似性、地域貿易協定の改善が、ASEAN 各市場周辺への楽観的な見方を後押ししていることがわかった。
また、調査対象者の88%は今後3年間で顧客基盤の世界規模の拡大を計画している一方で、アジア太平洋地域のビジネスリーダーは、ヨーロッパ、北米、南米市場の提携企業、サプライヤー、顧客とのビジネスに難しさを感じていると回答した。
克服すべき課題としては、回答者の半数近くが新規顧客の開拓(45%)やグローバル市場での提携企業やサプライヤー確保(42%)より、「通関手続きへの要件の複雑さ」と書類作成を高いハードルとして挙げている。調査対象者は、商取引のコンプライアンスに関して社内での知識に限りがあることから、市場ごとに異なる通関規制への対処は依然として複雑さを伴うと回答している。
一方で同社によると、中小企業の年間IT予算の総収益に対してデジタルトランザクション機能への投資はわずか5%にとどまっているという。そのうえで「テクノロジーの持つ可能性は明らかで、回答者71%がデジタル戦略の開発あるいは実施が最大の課題だ」としている。これに、セキュリティ上の脅威軽減(65%)、既存システムのアップグレード費用(64%)が続く結果となった。